骨粗鬆症は加齢などの原因で骨の密度や質が低下し、少しの衝撃でも骨折しやすくなる病気です。超高齢化社会となり、今後も高齢者が増える日本では骨粗鬆症患者の数も増加していくことが予想されています。そこで必要となるのが病気の予防や診断、治療についての知識を持った人材です。骨粗鬆症マネージャーは病気に対して深い知識を持つ医療職であることを証明する、一般社団法人日本骨粗鬆症学会が認定する資格です。予防や治療だけでなく病気に対する啓発活動を行うことで高齢者の健康を維持し、健康寿命の延伸に貢献する役割を担います。
この資格を取得するためには、看護師、保健師、助産師、診療放射線技師などいずれかの国家資格保持者である必要があります。すでに看護師として働いている人であれば要件を満たしているので挑戦しやすいでしょう。高齢者の数が増え続けている状況の中で、骨粗鬆症に対する知識やスキルを身につけている骨粗鬆症マネージャーの需要は今後も伸びていきます。資格を取得している看護師の数はまだ少ないようなので、これから整形外科に転職する人やキャリアアップしていきたい人にとっては自身のスキルを強くアピールできる材料となります。
骨粗鬆症マネージャーを取得するためにはいくつかの要件を満たす必要があります。まずは日本骨粗鬆症学会の会員であること。そして指定されたカリキュラムを1回以上受講しており、過去3年以内に開かれた学術集会に参加していることです。これらの要件を満たした上で申請期間中に申請を行い、認定試験に合格することで資格を取得できます。なお、試験は年1回の頻度で行われています。認定期間は取得年の4月1日から5年後の3月31日までで、5年ごとに更新手続きをする必要があります。制度及び試験の詳細は公式サイトに掲載されているので、興味のある人は確認してみましょう。
骨粗鬆症の患者は年々増えており、病気に対する専門知識がある看護師の存在は整形外科などの分野で歓迎されるはずです。仕事をしながら勉強をするのは大変ですが、今後のことを考えれば挑戦する価値は大いにあります。看護師として一定の分野に特化した知識とスキルを有するスペシャリストとして活躍していきたい人は、この機会に資格取得に取り組んでみてはいかがでしょうか。